押照(読み)おしてる

精選版 日本国語大辞典 「押照」の意味・読み・例文・類語

おし‐て・る【押照】

[1] 〘自ラ四〙 (「おす」は、日や月などの光が威力を一面に及ぼす意) 光がくまなく照る。一面に照る。
万葉(8C後)二〇・四三六一「桜花今盛りなり難波の海於之弖流(オシテル)宮にきこしめすなへ」
[2] 光が一面に照る意で、地名「難波(なにわ)」にかかる。おしてるや。
書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡「於辞氐屡(オシテル) 難波の埼(さき)の 並び浜 並べむとこそ その子はありけめ」
[補注]かかり方は、難波に対する賛美気持からか。他に(イ)難波の海上が一面に光り輝いている実景にもとづくもの、(ロ)「冠辞考」の襲い立てる浪はや、(ハ)「枕詞解」の押し並べて光る浪の華、などの諸説がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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