持・凭(読み)もたせる

精選版 日本国語大辞典 「持・凭」の意味・読み・例文・類語

もた‐・せる【持・凭】

〘他サ下一〙 もた・す 〘他サ下二〙
① たてかける。寄せかける。もたせかける。もたす。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一〇「杖を竪に立てて、杖のさきに頤をもたせてしばらくありしが
② 思わせぶりな言動相手の気を引く。気をもます。気を持たせる。もたす。
浄瑠璃平安城(1698頃か)三「但、人たがひかと宣ひて少しもたせし御言葉」
③ 保たせる。
※虎明本狂言・八句連歌(室町末‐近世初)「『さあらばわきをいたさう』『よふごさらふ』『さくらになせや、雨のうき雲』〈略〉『なせやが心にかかりまらする』『是でもたせた句じゃ』」
④ 費用などを出させる。負担させる。
⑤ 持って行かせる。
日葡辞書(1603‐04)「Qigayeuo(キガエヲ) motasuru(モタスル)

もた‐・す【持・凭】

[1] 〘他サ下二〙 ⇒もたせる(持)
[2] 〘他サ五(四)〙
① たてかける。寄せかける。もたせる。
曾我物語(南北朝頃)六「もとより手なれたる大蛇、後よりはひかかり、左右の肩に手をおき、兜の上に頭をもたし」
② 思わせぶりな言動で相手の気を引く。相手に気をもませる。もたせる。
※合巻・富士裾うかれの蝶鵆(1831)「どうもおまへはそはそはと浮気らしうて行末が案じられるともたされて麦右衛門は夢中になり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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