排水(植物)(読み)はいすい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「排水(植物)」の意味・わかりやすい解説

排水(植物)
はいすい

植物が水滴として水を排出することをいう。根から吸収された水の大部分水蒸気となって葉から蒸散されるが、特別の排水組織をもつ植物では、水孔排水毛などから水滴として水を排出する現象がみられる。これは、根圧が高まって水の排出が蒸散だけでは処理できなくなったときにおこるものである。野外では、吸水が盛んで蒸散が抑えられる夜から早朝にかけてよくみられ、日中はみられない。サトイモの葉ではとくに著しく、多いときは1分間に150滴に及ぶ排水がみられる。この水はほとんど純水に近いが、排水毛から出る水液には無機物や有機物が含まれることが多い。塩水植物では炭酸カルシウム主体ケイ酸塩などを含んでいる。

吉田精一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android