掛合・係合(読み)かかりあい

精選版 日本国語大辞典 「掛合・係合」の意味・読み・例文・類語

かかり‐あい ‥あひ【掛合・係合】

〘名〙
① (多く「かかりあいをつける」の形で用いる) 相手のやり方などに対して、苦情を言うこと。
歌舞伎・敵討噂古市(正直清兵衛)(1857)三幕「盗みをひろいだこの野郎が、ここの家へ逃げ込んだから、かかり合(ア)ひをつけに来たのだ」
② 人や物事とあるつながりを持っていること。また、その人。関係。関係者。〔詞葉新雅(1792)〕
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉四一「誰も宜(よ)うは汝(そなた)所業と知って居ず、関係(カカリアヒ)ある我等口を噤(つぐ)めば知れぬといふもの」
③ 他人の事件に関係して、罪や損害、迷惑などを受けること。まきぞえ。
人情本・春色辰巳園(1833‐35)初「掛(カカ)り合(アヒ)にならねへやうに、仕様がいくらもありますは」
未払いの金。掛け売りの未回収分。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)下「其外にかかり合はハアそれよそれよ。磯都(いそいち)が花銀五」

かかり‐あ・う ‥あふ【掛合・係合】

〘自ワ五(ハ四)〙
① いっせいに攻撃をしかける。また、互いに攻めかかる。
太平記(14C後)二六「楠が二陣の勢千余騎にて蒐(カカリ)合ひ」
② ある事を実現するためなどで、相手と話し合いをする。交渉する。かけ合う。
※歌舞伎・彩入御伽草おつま八郎兵衛)(1808)序幕委細は伴五郎どの、かかり合って下さい」
③ 人や物事とあるつながりをもつ。関係する。
※人情本・春色恋白波(1839‐41)一「懸(カカ)り合(アフ)奴は欲心情人(いろ)になるのサ」
煤煙(1909)〈森田草平〉二「私はどうもそんな事に係り合ふ気にはなれませんね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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