掠・攫(読み)さらう

精選版 日本国語大辞典 「掠・攫」の意味・読み・例文・類語

さら・う さらふ【掠・攫】

[1] 〘他ワ五(ハ四)〙 (「さらう(浚)」と同語源)
① 人の油断を見て奪い去る。人に気付かれないようにして奪い去る。
※俳諧・八番日記‐文政三年(1820)正月「なくななくな鬼がさらうぞ小夜時雨
② そっくり持ち去る。きれいに取る。
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉嚢家「監者は冷かに我銀の山を撈ひ取りぬ」
③ 剃(そ)る。
洒落本・格子戯語(1790)一「与四郎が床で額をさらわして居る所へ」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒さらえる(掠)

さら・える さらへる【掠・攫】

〘他ア下一(ハ下一)〙 さら・ふ 〘他ハ下二〙 すっかり持ち去る。全部を連れ去る。
浄瑠璃蘆屋道満大内鑑(1734)二「一家(いっけ)さらへて花見遊山か」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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