探題(仏教)(読み)たんだい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「探題(仏教)」の意味・わかりやすい解説

探題(仏教)
たんだい

法会(ほうえ)の席で行われる学僧の資格試験である論議竪義(りゅうぎ))において、論題を選定する役職。題者(だいしゃ)、探題博士(はくし)、博士とも称する。題目を選定して短冊に記し、従儀師がこれを竪者(りっしゃ)(試問を受ける僧)に渡して問答が始められる。判定の役である証義を兼ねる場合もある。当初は1、2人であったが、12世紀後半から専寺探題と他寺探題を加えて3人と定められた。奈良の三会(さんえ)(金光明会(こんこうみょうえ)・維摩会(ゆいまえ)・最勝会(さいしょうえ))の講師を務めた已講(いこう)、その勅命を受けていまだ終わらない擬講(ぎこう)のうちから任命される。已講の別称としても用いられた。

大桑 斉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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