掴・攫(読み)つかみ

精選版 日本国語大辞典 「掴・攫」の意味・読み・例文・類語

つかみ【掴・攫】

〘名〙 (動詞「つかむ(掴)」の連用形の名詞化)
① 手でつかむこと。多く数詞にそえて用いる。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
② (比喩的に) 欲の深いこと。また、その人。
浄瑠璃小栗判官車街道(1738)四「掴(ツカ)みの嚊(かか)さへあの心此上は如何(いか)やうな御用でも、アア慮外ながら仰付られ候へと」
賄賂(わいろ)を取ること。
※浄瑠璃・唐船噺今国性爺(1722)上「残りの臣下は欲づらのつかみの達者」
囲碁で、一方が石をつかんで、他方が数(奇数偶数)を言い当て、その当否で黒、白(または置石の数)をきめる方法。握り。
⑤ 花札で、出来役の札を手札の中にそろえて持っていること。
洒落本・卯地臭意(1783)「それからはつかみもとらづに、すっぱりと取られて仕廻(しまっ)た」
破風(はふ)の板の拝(おがみ)の部分が離れないよう固めるために用いる短い角材。ありいた。
※紙上蜃気(1758)「拈衽 ツカミあり 破風之合掌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android