揺・淘・汰(読み)ゆる

精選版 日本国語大辞典 「揺・淘・汰」の意味・読み・例文・類語

ゆ・る【揺・淘・汰】

[1] 〘自ラ四〙
① 物の全体がゆらゆらと動く。ふるい動く。ゆらめき動く。動揺する。特に、地震で地上の物が動揺する。
※勝山記‐天文一八年(1549)「此年の卯月十四日の夜中の比、ないゆり申候事言語道断不言説に候」
② ぐずぐずする。ためらう。たゆたう。躊躇する。
※類従本清少納言集(1028頃か)「いらへばそれやなどいひゆりて、とみにもいはねば」
[2] 〘他ラ四〙
① ふるい動かす。ゆさゆさと振り動かす。ゆさぶる。動揺させる。また、水をゆすり動かす。ただよわせる。
※名語記(1275)九「身をゆりて、舞ふよしをする也」
武蔵野(1887)〈山田美妙〉上「折から草木を烈しく揺(ユ)って野分の風が吹いて来た」
② (「淘」「汰」とも書く) 水中空中で、ゆさぶりながら選び分ける。ゆらして選別する。
※永久二年九月三井寺歌合(1114)「河波の黄金を淘ると見えつるは岸なる菊の洗ふなりけり〈静賢〉」
③ 日本音楽の声楽器楽で、一つの音を波のように上げ下げさせる。→揺り③。
※わらんべ草(1660)二「うたひやうの事〈略〉一ちぢめ〔さきをまへへ〕一ゆる〔上、下十四、十五〕」
[3] 〘自ラ下二〙 ⇒ゆれる(揺)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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