揺掛(読み)ゆすりかける

精選版 日本国語大辞典 「揺掛」の意味・読み・例文・類語

ゆすり‐か・ける【揺掛】

[1] 〘他カ下一〙 ゆすりか・く 〘他カ下二〙
① ゆらゆらと動かす。ゆすり動かす。
※虎明本狂言・空腕(室町末‐近世初)「十間斗ある鑓を、四五人ゆすりかけて参る程に」
工夫をする。意匠をこらす。
※滑稽本・狂言田舎操(1811)下「をつな銀具をそと打たる黒天黛絨の道中提を、左りの手にぶらりと携へ、ゆすりかけたる煙管くわへ」
[2] 〘自カ下一〙 ゆすりか・く 〘自カ下二〙 (強請掛) ゆすりをしかける。おどしかける。
浮世草子西鶴織留(1694)六「兎角内かた様へしれませぬうちに御分別と、旦那へゆすりかけて」

ゆり‐か・く【揺掛】

〘他カ下二〙
① たっぷりとゆるく垂らす。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「御髪御裳に少し足らぬほどにて、やうじかけたるごとして白き御衣にひまなくゆりかけられたり」
② ゆすりながらもたせかける。
歌謡歌舞伎草子(17C前)かねきき「橋に吾が身をゆりかけて、わたらしよよの、しんとろとろと、わたらしよ」
③ (着物などを)ゆするように勢いよく着る。
幸若・高たち(室町末‐近世初)「からにしきおとし金さねの腹巻 さっとゆりかけ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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