揺蕩・猶予(読み)たゆたう

精選版 日本国語大辞典「揺蕩・猶予」の解説

たゆた・う たゆたふ【揺蕩・猶予】

〘自ワ五(ハ四)〙
① 水などに浮いているものや煙などが、あちらこちらとさだめなくゆれ動く。ひと所にとまらないでゆらゆらと動く。ただよう。
※万葉(8C後)一五・三七一六「天雲の多由多比(タユタヒ)来れば九月(ながつき)のもみちの山もうつろひにけり」
② 心が動揺して定まらなくなる。ぐずぐずして決心がつかない状態になる。躊躇(ちゅうちょ)する。ぐずぐずする。
※万葉(8C後)四・五四二「常止まず通ひし君が使ひ来ず今は逢はじと絶多比(たゆタヒ)ぬらし」
※読本・椿説弓張月(1807‐11)前「為損じてはとたゆたひて、かるかるしく事を発せず」

たゆたい たゆたひ【揺蕩・猶予】

〘名〙 (動詞「たゆたう(揺蕩)」の連用形の名詞化) ゆらゆら動いて定まらないこと。また、気持が定まらないこと。心が動揺すること。
※万葉(8C後)一一・二六九〇「白たへの吾が衣手に露は置きぬ妹は逢はさず猶予(たゆたひ)にして」
山吹(1944)〈室生犀星〉「こんな時間のたゆたひを失ふことを惜んだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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