救・済・拯(読み)すくう

精選版 日本国語大辞典 「救・済・拯」の意味・読み・例文・類語

すく・う すくふ【救・済・拯】

〘他ワ五(ハ四)〙
① 力を添えて苦痛・難儀・危険、また、精神的な苦しみなどからのがれられるようにしてやる。助ける。救助する。
書紀(720)継体二一年八月(前田本訓)「民を塗炭(くるしき)に拯(スクフ)ことは彼も此も一時なり」
※月は東に(1970‐71)〈安岡章太郎〉二「その手紙でどんなに気分的に救われたか知れなかった」
② 加勢する。助力する。〔英和商業新辞彙(1904)〕
③ 悪を正す。なおす。横道にそれたものを正道にもどす。
※書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓)「中臣の鎌子の連、人と為、忠正(たたしく)して匡済(スクフ)心有り」
④ 物を与えて、飢えや貧困からのがれられるようにする。めぐむ。施与する。賑恤(しんじゅつ)する。
※書紀(720)仁徳六七年(前田本訓)「徳(いきほひ)を布き、恵を施して困窮(くるしくたしなき)を振(スクフ)
現世来世での罪や苦患(くげん)をのがれられるようにする。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)六「能く三千大千世界の有縁衆生を救(スクハ)む」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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