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教科書デジタルデータ きょうかしょでじたるでーた

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知恵蔵2015の解説

教科書デジタルデータ

教科書デジタルデータ」とは、デジタル教科書のうち、特別支援教育において生徒が使用するものである。デジタル教科書とは、「デジタル機器や情報端末向けの教材のうち、既存の教科書の内容と、それを閲覧するためのソフトウェアに加え、編集、移動、追加、削除などの基本機能を備えるもの」(2011年4月文部科学省発表「教育の情報化ビジョン」)と定義され、主に教師が授業の中で生徒に提示して使う「指導者用デジタル教科書」と、生徒自身が使う「学習者用デジタル教科書」に分けられる。現在は教科用図書発行者等によって指導者用デジタル教科書のみが作成されているが、今後は学習者用デジタル教科書として、通常の学校・学級で使われる狭義の「学習者用デジタル教科書」と、特別支援教育において使用される「教科書デジタルデータ」が作成されることになっている。今日の日本では、特別支援教育において使用される教科書として主に弱視児童生徒のための拡大教科書や点字教科書がある。その多くは、ボランティア団体等が手書きパソコンを活用して、検定教科書の文字や図形等を拡大、複製して作成している。教科書のデジタルデータの普及により、より多くの科目についてより効率的に教科書を提供できるようになるが、データ形式や著作権に関する課題もあり、09年2月には、「教科書デジタルデータの提供に関する実施要項」(文部科学大臣決定)が発表された。教科書デジタルデータ発行のプロセスは、まず教科用図書発行者が、文部科学大臣または文部科学大臣が指定するデータ管理機関に対してデータを提供し、データ管理機関からこれをあらかじめ認定されたボランティア団体等に提供する。教科用図書発行者が使用する商業印刷向けのDTPソフトと、ボランティア団体等が拡大図書等を作成する市販のアプリケーションソフトでは、多くの場合、扱うデータ形式が異なる。そのため、データ提供に際しては、教科用図書発行者、データ管理機関、ボランティア団体等のいずれにとってもできるかぎり作業負担が小さく、かつ正確で使い勝手のよいデータ形式であること必要であるため、主にPDF形式が採用される。また、教科用図書発行者や図・写真等の権利者等の著作権を守るため、教科書デジタルデータが本来の用途以外に流用されたり第三者に流出したりするのを防止する措置を万全に講じる必要がある。
さらに今後は、読み上げ機能、画面の拡大・色の変更機能、上肢に障害のある生徒でも自分でページを移動させて読むことができる画面表示機能等、多様な障害に応じた教科書デジタルデータが求められる。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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