散切・斬切・残切(読み)ざんぎり

精選版 日本国語大辞典 「散切・斬切・残切」の意味・読み・例文・類語

ざん‐ぎり【散切・斬切・残切】

〘名〙
月代(さかやき)をそらないで、頭髪をうしろへなでつけて結ばず、切り下げたままにした髪形。なでつけ。散切髪。
浮世草子・好色一代男(1682)二「此三人に日夜乱れて、いつとなくざん切になでつけ」
② 頭髪を①にされていたところから江戸時代、囚人を扱った非人。
※浮世草子・風俗遊仙窟(1744)三「辻々のざんぎりの品玉同意に心得、人の目をさまさせんと、驕らるる心より闘諍起り、確執に及ぶ」
③ 江戸吉原の私刑の一つ。客がなじみの遊女に無断で他の遊女と遊興した時、なじみの遊女たちがその客の髪を切り落とすこと。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一四中「ざんぎりにしなとぞろぞろ上さうり」
④ 男子の髪形の一つ。月代をそらないでうしろへなでつけ、髪をえり元で切ったもの。明治四年(一八七一散髪脱刀令が出されてから流行した。さんぱつ。〔和英語林集成初版)(1867)〕
大阪日報‐明治四年(1871)一二月二五日「文明開化は頭をザンギリにするのみならず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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