文中子(読み)ぶんちゅうし(英語表記)Wén zhōng zǐ

精選版 日本国語大辞典 「文中子」の意味・読み・例文・類語

ぶんちゅうし【文中子】

隋代の儒者王通の諡(おくりな)。また王通の著書の名。王通と門人との対話記録を門人が整理し、「論語」に模して編纂した書。「中説」ともいう。

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デジタル大辞泉 「文中子」の意味・読み・例文・類語

ぶんちゅうし【文中子】

中国代の儒者王通おうとうおくりな。また、王通と門人との対話集「中説」の異称

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改訂新版 世界大百科事典 「文中子」の意味・わかりやすい解説

文中子 (ぶんちゅうし)
Wén zhōng zǐ

中国,隋の王通(584-617)を諡(おくりな)でよんだもの。竜門(山西省河津県)の人。経書に模した続経を制作し,現在では《春秋》に模した《元経》のみが伝わるが,宋の阮逸(げんいつ)の偽作ともいわれる。また《文中子》ともよばれる言行録の《中説》は,構成・措辞ともに《論語》に模し,そこに登場する門人のなかに唐初に活躍する名臣が多くふくまれているため,かえって疑惑視される。初唐四傑の一人の王勃おうぼつ)は孫。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文中子」の意味・わかりやすい解説

文中子
ぶんちゅうし
Wen-zhong-zi

中国,隋末の儒者王通の作と伝えられるが,疑わしい。『中説』ともいう。 10巻。『論語』のような体裁をとっており,儒仏道三教おのおのの価値を認めている点が注目される。

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