斜プチロル沸石(読み)しゃぷちろるふっせき(英語表記)clinoptilolite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「斜プチロル沸石」の意味・わかりやすい解説

斜プチロル沸石
しゃぷちろるふっせき
clinoptilolite

沸石一種で、ケイ酸分に富むものの一つ。肉眼的な板状結晶をすることはきわめてまれで、普通は微細な結晶の塊状集合をなす。火山ガラスを多く含む凝灰岩が変成してできた沸石岩の主要な構成鉱物としてもっとも普通に産する。方沸石、モルデン沸石、フェリエ沸石ferrierite、輝沸石、束(そく)沸石などの沸石と共存することがある。交換性陽イオンのもっとも多い元素名をつけて種名を表す。たとえばナトリウムが卓越する場合にはclinoptilolite-Na(ソーダ斜プチロル沸石)となる。軽くて羽のような性質をもっているので、英名は、羽を意味するギリシア語に由来し、それに単斜晶系を意味する接頭語clinoがつけられた。

松原 聰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の斜プチロル沸石の言及

【輝沸石】より

…多くの産地が知られているが,小笠原諸島の父島,新潟県間瀬,伊豆半島北部などは著名である。酸性凝灰岩の構成鉱物として,輝沸石とほぼ同じ産状で産出することの多い斜プチロル沸石clinoptiloliteは高アルカリ,高シリカ種であってその産出量も多量であるため,沸石資源として利用されている。【湊 秀雄】。…

※「斜プチロル沸石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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