断末魔(読み)ダンマツマ

デジタル大辞泉 「断末魔」の意味・読み・例文・類語

だん‐まつま【断末魔/断末摩】

《「末魔」は、梵marmanの音写。身体内にある特殊な急所で、何かがこれに触れると死ぬという》息を引き取るまぎわ。臨終。「―の苦しみ」
[類語]いまわ死に際往生際死に目末期臨終終焉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「断末魔」の解説

断末魔

苦しんで死ぬこと。

[使用例] 診察室の隣の座敷の方には、そこにも医者身内遭難者が担ぎ込まれているとみえて、怪しげな断末魔のうめきを放っていた[原民喜廃墟から|1947]

[由来] 「末魔」は、「末摩」とも書かれ、ぼんのmarmanの音写。仏教で、体の内部にあって、何かがこれに触れると死ぬという急所だと考えられていた部分のこと。「断」は、そこに何かが触れて、意識を失わせること。「しゃろん―一〇」では、「臨終の時には、多くの場合、『断末摩』の苦しみを受けることになる」と述べられています。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「断末魔」の意味・わかりやすい解説

断末魔
だんまつま

仏教では、末魔に触れて命を断つこと。末魔はサンスクリット語のマルマンmarmanの音写で、「関節、致命的な部分、傷つきやすい場所」を意味し、結局「急所」のこと。特殊な急所に触れて、末魔を断てば死に至ると考えられ、また末魔を打てば精神に異常を生ずるともいう。転じて、「まさにいまわのきわの苦しみ。息を引き取るまぎわの苦しみ」をいい、「断末魔の苦しみ」という。

[石上善應]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「断末魔」の解説

断末魔 だんまつま

?-? 織豊時代の能面師。
喜多古能の「仮面譜」によれば,仮面中作以後の名手5人のうちひとり。おもに狂言面をつくる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android