新居浜市(読み)ニイハマシ

デジタル大辞泉 「新居浜市」の意味・読み・例文・類語

にいはま‐し〔にゐはま‐〕【新居浜市】

新居浜

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日本歴史地名大系 「新居浜市」の解説

新居浜市
にいはまし

面積:一五九・七一平方キロ

県の東部にあり、国鉄予讃本線の起点高松と県都松山とのほぼ中間に位置する。西南隅に、石鎚いしづち連峰東端のささみね(一八五九・七メートル)がそびえ、北方の黒森くろもり(一六七八・四メートル)と結んで海岸平野に達する稜線で、西の西条市と境している。笹ヶ峰から北東方向へ、赤石あかいし山系に属する銅山越どうざんごえ西赤石にしあかいし山・上兜かみかぶと山など標高一二〇〇―一六〇〇メートルの山岳が連亘して、東・南部は宇摩うま郡と接している。

市域の六八パーセントを占める南部脊梁山地は壮年期の地貌を呈し、その北面には中央構造線上の大断層崖が東西に走り、これを境界として北部に市域の約四分の一を占める新居浜平野が広がっている。南部山地に源を発して、V字谷を刻んで北流する国領こくりよう川・ひがし川・尻無しりなし川は、いずれも流路が短く断層崖下に扇状地・海岸平野を展開しつつ、ひうち灘に注ぐ。

昭和一二年(一九三七)市発足のとき、市の中核部をなした新居浜町の名を継承して新居浜市と命名した。新居浜の初見は、慶安元年伊予国知行高郷村数帳(一六四八)に「新居浜村」とある。新居郷の浜という意味か。

〔原始〕

縄文早期の押型文土器や後期・晩期に属する土器片を出土する横山よこやま遺跡、弥生中期・後期の土器を出土する船木の檜端ふなきのひのきのはな遺跡、弥生後期末の土器を出土する西の土居にしのどい町の金栄きんえい小学校遺跡がある。古墳時代のものとして、前期末の円墳である西の土居町の金子山かねこやま古墳があり、後期古墳とみられる中萩なかはぎ町の横山よこやま古墳と泉川の正光寺山いずみかわのしようこうじやま古墳がある。

〔古代〕

宇摩郡から東端のせきで当市域に入った官道は、船木ふなき付近と比定される東大寺領新居にい庄の南端を経て山麓に沿い西進し、郡家のあったなか村に設置されたと推定される新居駅に達した後、周敷すふ郡に入ったと思われる(延喜式)。「和名抄」記載の新居郡内六郷のうち、新居・井上いのえ嶋山しまやまの三郷が、新居浜平野にあったと推定される。国領川東岸の船木地区一帯を荘域にしていたと思われる東大寺領新居庄は、八世紀頃から約四世紀間にわたって存続した(「東大寺諸荘文書并絵図等目録」百巻本東大寺文書)

〔中世〕

古代の東大寺領新居庄があった地域内には、鎌倉期に悲田院領が成立し、南北朝期には禅昌寺宮領となったと推察される(「大山積神社文書」、「河野家代々綸旨御教書等之写」稲葉順通氏蔵)。一方、文永七年(一二七〇)京都西八条の遍照心院の寺領となった新居庄は、新居・井上・嶋山の東新三郷に存在した荘園であり(大通寺文書)新居浜浦葛淵つづらぶちに、津倉が置かれていた(予陽河野家譜)

新居浜市
にいはまし

2003年4月1日:新居浜市が宇摩郡別子山村を編入
【別子山村】愛媛県:宇摩郡
【新居浜市】愛媛県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新居浜市」の意味・わかりやすい解説

新居浜〔市〕
にいはま

愛媛県東部,新居浜平野にあり,燧灘に面する工業都市。 1937年市制。 1953年垣生,大島,多喜浜,神郷の4村,1955年泉川,中萩の2町と船木,大生院の2村,1959年角野町,2003年別子山村をそれぞれ編入。中心市街地の新居浜は江戸時代中期から別子銅山の銅の積出港,銅山への物資の中継地として発展。明治以後は銅山の開発拡大に伴い,銅精錬を中核とする金属,機械,化学などの工業が発達。別子銅山は 1973年に閉山。現在は東予新産業都市の中核をなし,海岸の埋立て地に臨海工業地区が形成されている。新居浜港は2万t級船舶が着岸する工業港となっている。東部の多喜浜地区では広大な塩田跡を埋立てて工業団地を造成。埋立て地は市全域に及んでいる。市の中央を中央構造線が通り,国領川などの扇状地が北部に連なる。一宮 (いっく) 神社のクスノキ群は天然記念物。 JR予讃線,国道 11号線が通じ,松山自動車道のインターチェンジがある。阪神からのフェリーが寄港する。面積 234.50km2。人口 11万5938(2020)。

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