新発田市(読み)シバタシ

デジタル大辞泉 「新発田市」の意味・読み・例文・類語

しばた‐し【新発田市】

新発田

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日本歴史地名大系 「新発田市」の解説

新発田市
しばたし

面積:四三三・四三平方キロ

新潟県北部に位置し、阿賀野川の北、いわゆる揚北あがきた(阿賀北)の中心都市である。東は山形県に接し、東から北にかけて北蒲原きたかんばら黒川くろかわ村、北は加治川かじかわ村、西は聖籠せいろう町・豊栄とよさか市・豊浦とようら町、南は笹神ささかみ村と東蒲原郡三川みかわ村・鹿瀬かのせ町に囲まれる。市域東部は飯豊いいで山系の山地で、西部には加治川などによって形成された扇状地沖積低地が広がる。飯豊山の西、山形県境付近の山中に発する飯豊川は、西流して赤谷あかだに中山なかやま(中中山)付近から加治川とよばれ、西北流して内の倉うちのくら川・姫田ひめだ川を合せ、市域を抜ける。合流点近くの姫田川には、櫛形くしがた山脈の山裾を北から西南流してきた坂井さかい川が合流する。加治川流域は穀倉地帯で加治川米の産地として知られるが、古来水害が多発し、近世以来数度の改修が加えられている。中心市街はその下流左岸に位置し、近世には新発田藩溝口氏(五万石、幕末には一〇万石)城下町であった。なお市域西北部は近世の初め頃まで、沼沢地の多い一帯であった。

新発田の史料上の初見は享徳三年(一四五四)四月二八日付中条秀叟(房資)記録(三浦和田中条氏文書)で、応永の大乱を記したなかに応永三〇年(一四二三)「黒河・加地・新発田・白川之面々」が陣を払って在所に引揚げたとあり、新発田を名乗る武将・在地領主が登場している。

〔原始・古代〕

先土器時代の遺跡は数ヵ所あり、上寺内の松山かみじないのまつやま遺跡をはじめ、いずれも緩やかに傾斜する丘陵や段丘上、標高四〇―一〇〇メートルに位置する。縄文時代の遺跡は約五〇ヵ所確認されているが、とくに加治川右岸、姫田川支流の諸河川に沿う一帯に多い。弥生時代の遺跡はわずかであるが、坂井川左岸下寺内の段丘上に立地する村尻むらじり遺跡は、縄文後期から弥生中期にかけての遺跡で、縄文時代の多様な土器・石器などとともに弥生時代の再葬墓が検出されている。市域一帯は越後国沼垂ぬたり郡に含まれ、「和名抄」記載の同郡賀地かじ郷の地にあたると考えられている。沼垂郡はやがて蒲原郡に吸収される。「日本書紀」に、大化三年(六四七)渟足柵ぬたりのき(現新潟市)、同四年磐舟柵いわふねのき(現村上市)を設置し、こしと信濃の民を移して柵戸としたことがみえるが、諏訪すわ町に鎮座する諏訪神社はもと聖籠町にあり移住してきた信濃の人々が祀ったのが始めと伝えている。五十公野いじみの古四王こしおう神社は大彦命を祀る。崇神天皇のとき四道将軍の一人として北陸に派遣されたという人物で、古四王神社は阿賀野川流域から北、東北地方日本海側に分布することで知られている。

新発田市
しばたし

2005年5月1日:新発田市が北蒲原郡紫雲寺町加治川村を編入
【新発田市】[変更地名]新潟県
【紫雲寺町】新潟県:北蒲原郡
【加治川村】新潟県:北蒲原郡

新発田市
しばたし

2003年7月7日:新発田市が北蒲原郡豊浦町を編入
【豊浦町】新潟県:北蒲原郡
【新発田市】新潟県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新発田市」の意味・わかりやすい解説

新発田〔市〕
しばた

新潟県北部,新潟平野の北部から飯豊山地の西部にある市。 1947年市制。 1955年五十公野村,川東村,菅谷村松浦村,米倉村,赤谷村の6村,1959年佐々木村,2003年豊浦町を編入。 2005年紫雲寺町,加治川村を編入。中心市街地の新発田は加治川の扇状地上にあり,慶長3 (1598) 年以来溝口氏 (→新発田藩 ) の城下町として,明治以後は軍都として発展。国の重要文化財である新発田城の表門と旧二の丸隅櫓,旧新発田藩足軽長屋,国の名勝である旧新発田藩下屋敷 (清水谷御殿) 庭園および五十公野御茶屋庭園などが城下町の面影を残す。 1912年に羽越本線の新津-新発田間が開通し,以後駅付近に工場が進出。 1964年に新産業都市新潟地区に入り,金属,化学,製糸,乳製品,酒造などの工場が進出。旧紫雲寺潟をはじめ周辺農村部では米作が行なわれ,果樹,野菜も栽培される。 1966~67年加治川の連続水害後,上流に内ノ倉ダムと,加治川ダムの両治水ダムが建設された。東部は胎内二王子県立自然公園磐梯朝日国立公園に属する。 JR羽越本線,白新線,国道7号線などが通る交通の要地。面積 533.11km2。人口 9万4927(2020)。

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