方向性ケイ素鋼帯(読み)ほうこうせいけいそこうたい

世界大百科事典(旧版)内の方向性ケイ素鋼帯の言及

【ケイ素鋼(珪素鋼)】より

…このようにケイ素を含むだけでも優れた電磁鋼板(電気鉄板ともいう)としての性能を発揮するが,次のように方向性を与えることにより,その性能はさらに向上する。前者を無方向性電磁鋼板,後者を方向性電磁鋼板(方向性ケイ素鋼帯)とよんでいる。体心立方晶の鉄および鉄合金の磁化容易軸は〈100〉方向なので,ゴス方位という(110)面が圧延面に,〈100〉方向が圧延方向に向いた圧延板の集合組織をもつケイ素鋼板は1回の冷間圧延後焼きなまし,2回目の冷間圧延後比較的高温で焼きなましをする2回圧延2回焼きなまし法により製造される。…

【集合組織】より

…さらに,たとえば板の圧延方向と幅方向といった材料の向きによってもその性質は異なる(性質の異方性)。永久磁石であるアルニコ磁石においては凝固による優先方位[100]の形成が,変圧器鉄心用の方向性ケイ素鋼帯においては2次再結晶による優先方位(110)[001]の形成が,その特性の向上に利用されている。自動車車体の外板やビールのかんのように薄い平板から立体的な形状を成形加工するときには,集合組織が適切でないと,加工の途中で破断したり,形状の欠陥が発生したりする。…

※「方向性ケイ素鋼帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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