日下部 金兵衛(読み)クサカベ キンベエ

20世紀日本人名事典 「日下部 金兵衛」の解説

日下部 金兵衛
クサカベ キンベエ

江戸時代末期・明治期の写真家 元・横浜写真業組合副理事長。



生年
天保12年10月15日(1841年)

没年
昭和9(1934)年4月19日

出生地
山梨県甲府

経歴
安政6年頃横浜に出て、文久3年頃フェリックス・ベアトの下で写真術を学び、助手となる。慶応3年10月頃、ベアトに同行して上海に渡り、写真撮影を行う。明治10年横浜に写真館を開業、その後、横浜、東京に支店を出す。20年頃には日本各地の彩色風景写真を中心に海外向けの“横浜写真”の主流を占め、ガラス板の幻灯写真も数多く製作し、輸出、販売するほどの隆盛を究める。また米国ヨーロッパのカメラ、感光材料などの輸入販売に合わせて、29年活動写真の輸入を手掛ける。28年第4回内国勧業博覧会に彩色写真を、37年セントルイス万国博覧会には写真工芸品を出品するなど、内外で高く評価された。43年横浜写真業組合副理事長に就任するが、大正3年写真業を廃業晩年は日本画を描いて余生を送ったと言われている。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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