日本の医学史(年表)(読み)にほんのいがくし

日本大百科全書(ニッポニカ)「日本の医学史(年表)」の解説

日本の医学史(年表)
にほんのいがくし

562 呉の知聡が著わした医書『明堂図』などにより灸が伝えられる
593 聖徳太子が四天王寺を建立、施薬院、療病院、悲田院、敬田院を置く
623 恵日、隋より帰国
645 知聡の子孫である善那使主、牛乳を天皇に献上。善那使主は和薬師主の氏姓を与えられる
701 大宝律令による医療統制
718 養老律令による医療統制
723 三世一身法発令
723 興福寺に施薬院、悲田院設立
730 光明皇后、皇后宮職に施薬院を設置
756 正倉院建立、献上された医薬を保存(正倉院薬物)

平安時代


799 和気広世、『薬経太素』を著わす
808 出雲広貞『大同類聚方』を撰述
861 赤痢流行
927 延喜式撰進(医学教育の編成)
984 丹波康頼、『医心方』を編纂
1081 丹波雅忠、『医略抄』を著わす

鎌倉~室町時代


1211 栄西、『喫茶養生記』を著わす
1283 忍性、鎌倉極楽寺で療養院、施薬院を設け、救済事業を行う
1289 丹波行長、『衛生秘要所』を著わす
1303 梶原性全、『頓医抄』を著わす
1315 梶原性全、『万安方』を著わす
1379 竹田昌慶、鍼灸用の人形を伝える
1498 田代三喜、李朱医学を学んで帰国
1528 阿佐井野宗瑞、『医書大全』を翻訳
1556 アルメイダ、育児院創立
1558 アルメイダ、洋式病院創立
1560 イエズス会、宣教師の医療事業禁止(医学史)
1565 小西行長、ハンセン病院設置
1574 曲直瀬道三、『啓迪集』を撰述
1583 長崎にキリスト教系病院設立
1585 永田徳本、『医之弁』を伝授

江戸時代


1607 曲直瀬道三、『医学天正記』を著わす
1608 スピーケルの医学書“Opora quas Dmnia”輸入
1610 鷹取秀次、『外療新明集』を著わす
1637 大坂にハンセン病院設置
1641 医薬、外科、航海術以外の洋書輸入禁止
1654 向井元升、『紅毛外科秘要』を編纂
1663 黒川道祐、『本朝医考』を著わす
1663 名古屋玄医、『医経遡洄集抄』を著わす
1673 レメリンの医学書“Pinax miclocosmagraphicus”輸入
1679 名古屋玄医、『医方問余』を著わす
1682 本木庄太夫、レメリンの著書の翻訳
1690 ケンペル来日
1706 通詞の楢林鎮山、『紅夷外科宗伝』をまとめる
1722 小石川養生所設置
1726 桂川甫筑、幕命により洋薬製造
1729 薬種問屋の制
1729 香川修徳、『一本堂薬選』を著わす
1747 稲生若水・丹羽正伯、『庶物類纂』を編纂
1753 口中外科などに本道(内科)を兼修することを戒める
1754 山脇東洋、人体解剖を行い『蔵志』(1759刊)に記録する
1756 藩校、医学寮再春館設置(肥後)
1758 栗山幸庵・伊良子治顕、人体を解剖
1765 多紀元孝、躋寿館(医学館)を創設
1766 賀川玄悦、『産論』を著わす
1774 島津重豪、医学院設置(薩摩)
1774 杉田玄白・中川淳庵・前野良沢訳、『解体新書』刊行(近代解剖学)
1786 大槻玄沢、学塾芝蘭堂を開く
1789 緒方春朔、人痘種痘を広める
1791 幕府、躋寿館を官立化し、医学館と命名
1793 宇田川玄随、『西説内科撰要』を刊行
1796 稲村三伯、蘭和(らんわ)辞典『江戸ハルマ』を出版
1798 医学館に痘科設立
1802 桂川甫周、『顕微鏡用法』を著わす
1804 華岡青洲、全身麻酔術による手術を行う
1805 医学所済生館設置(福井)
1806 小野蘭山、『本草綱目啓蒙』を出版
1811 天文方に翻訳掛を設置(洋書翻訳活動)
1815 杉田立卿、訳書『眼科新書』を刊行
1819 整骨医の各務文献、木製の骨格模型「各務木骨」を完成
1822 コレラ流行(医学史)
1822 宇田川榛斎、訳書『遠西医方名物考』を刊行(西洋薬学)
1823 シーボルト来日
1826 伊東玄朴、蘭学塾象先堂を開設
1832 藩校教授館設置(高知)
1832 高野長英、『西説医原枢要』を著わす(生理学)
1838 緒方洪庵、適々斎塾を開く
1840 医学所好生館設置(長州)
1842 翻訳書の検閲強化
1847 緒方洪庵、『病学通論』(病理学)を著わす
1848 モーニケ来日
1849 幕府、蘭方医の登用制限
1849 モーニケ、牛痘の種痘に成功。楢林宗建、『牛痘小考』を著わす
1852 伊古田純道、帝王切開術を行う
1854 アメリカかぜ流行
1857 蕃書調所、蘭書を講義
1858 コレラ流行(医学史)
1858 お玉ヶ池種痘所設立
1859 本間棗軒、膀胱結石を摘出
1861 長崎養生所開院
1862 ボードイン来日
1863 西洋医学所、医学所と改称

明治時代


1868 長崎精得館、長崎医学校となる
1868 政府、ドイツ医学を採用(医学史)
1869 大阪医学校病院創設
1870 医学校を大学東校に改称
1870 金沢医学館、岡山医学館設置
1876 内務省に衛生局が設立される
1877 西南戦争勃発、脚気の原因究明と療法の調査開始
1879 漢方医山田業広ら温知社設立
1883 大日本私立衛生会設立
1883 医師試験体制の確立
1885 荻野吟子、開業医試験合格(近代日本最初の公認女医)
1885 緒方正規、細菌学導入
1887 万国赤十字社加盟(日本赤十字社)
1890 日本医学会創立
1892 伝染病研究所設立
1892 北里柴三郎帰国
1893 日本人による医学教育確立(講座制)
1897 足尾銅山の鉱毒問題、社会問題化(足尾銅山鉱毒事件)
1898 志賀潔、赤痢菌を発見
1900 吉岡弥生、日本初の女医養成機関である東京女医学校(現在の東京女子医科大学)を創設
1904 桂田富士郎、日本住血吸虫を発見
1910 秦佐八郎、サルバルサンを発見
1910 鈴木梅太郎、オリザニン発見
1911 工場法成立

大正時代


1913 結核予防協会設立
1913 野口英世、梅毒スピロヘータ発見
1914 三宅速、陽圧開胸手術に成功
1915 石原忍、「色覚検査表」を考案
1915 稲田竜吉・井戸泰、ワイル病(黄疸出血性レプトスピラ病)の病原体を発見
1915 山極勝三郎・市川厚一、コールタール塗擦による人工皮膚癌の発生に成功
1916 高野岩三郎、「二十職工家計調査」を実施
1918 スペインかぜ流行(インフルエンザ)
1919 結核予防法制定
1919 流行性脳炎流行
1921 倉敷労働科学研究所創立
1921 学医令の改正
1921 土肥慶蔵、『世界梅毒史』を著わす
1922 サンガー夫人来日
1923 日本レントゲン学会創設
1924 荻野久作、荻野学説を発表
1924 佐々木隆興、アミノ酸の細菌による分解・合成に関する研究で帝国学士院恩賜賞を受賞
1925 日本生化学会創立
1925 大原八郎、野兎病を報告、病原体分離にも成功

昭和時代


1927 健康保険法施行
1927 緒方知三郎ら、『病理学総論』を著わす
1927 BCG接種開始
1928 足立文太郎、『日本人の動脈系』を著わす
1929 日本産業医学協会設立
1932 佐々木隆興・吉田富三、アゾ化合物によって人工的肝癌を発生させることに世界で初めて成功
1935 古賀良彦、レントゲン撮影法改良
1936 中泉正徳、レントゲン集中照射療法
1936 馬杉復三、腎炎アレルギー説提唱
1938 厚生省(現厚生労働省)設置
1938 国家総動員法施行、結核患者急増
1940 国民体力法公布
1940 大日本産業報国会発足
1946 日本国憲法公布(健康権)
1947 ペニシリン一般病院にも配給
1948 輸血梅毒事件
1948 インターン連合発足
1949 胸部外科学会創立
1949 身体障害者福祉法公布
1950 胃カメラの開発成功(医療機械国産化)
1951 世界保健機関正式加盟
1952 血液銀行(血液センター)創設
1953 人工呼吸器が臨床に導入
1953 水俣病発生
1953 日本ウイルス学会設立
1954 隈部英雄、X線と病理解剖の対比
1954 ビキニ環礁近海で第五福竜丸被曝(第五福竜丸事件)
1954 「原水爆禁止を要望する医師会」発足
1955 ヒ素ミルク事件発生
1957 梅沢浜夫、カナマイシン発見
1957 人工内臓研究会設立
1960 知的障害者福祉法公布
1960 厚生省、病院管理研究
1961 『医学史研究』創刊
1961 四日市喘息発生
1961 サリドマイドによるあざらし肢症発生
1962 日本エム・イー学会設立(検査の自動化)
1962 国立がんセンター(2010年「国立がん研究センター」に名称変更)創設
1963 三井三池炭鉱爆発事件発生(三池炭田)
1964 『薬学研究白書』刊行(製薬工業の研究費の増大、薬開発非公開)
1965 国立小児病院開設
1970 心身障害者対策基本法(現障害者基本法)公布
1970 光化学スモッグ発生(公害)
1973 老人医療無料化
1974 国立公害研究所発足
1975 東京女子医科大学に国産第一号のCT設置
1977 国立循環器病センター開院
1979 国立身体障害者リハビリテーションセンター(2008年「国立障害者リハビリテーションセンター」に名称変更)開設
1983 厚生省、「脳死に関する研究班」発足(脳死・臓器移植問題)
1984 筑波大で日本初の膵腎同時移植
1988 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律(エイズ予防法)成立

平成


1989 凍結受精卵ベビーが誕生(東京医科歯科大)
1989 日本初の生体部分肝移植(島根医大)(肝臓移植)
1991 東京女子医大、ベルギー空輸の脳死肝移植を実施
1992 脳死臨調、脳死・臓器移植を承認する答申(脳死・臓器移植問題)
1995 ADA欠損症男児に対して日本初の遺伝子治療(北大)
1996 薬害エイズ訴訟和解(薬害エイズ問題)
1996 らい予防法廃止(ハンセン病)
1996 日本初の生体小腸移植を実施(京大)
1996 O157による世界最大規模の食中毒発生
1997 臓器移植法成立
1997 日本臓器移植ネットワーク発足
1998 日本初の生体肺移植を実施(岡山大)
1998 世界初の大人の牛の体細胞を使ったクローン牛誕生(近畿大、石川県)
1999 臓器移植法施行後初の脳死による臓器移植を実施(脳死・臓器移植問題)
1999 厚生省、電子カルテを正式な診療録として承認
1999 感染症予防・医療法(感染症法)施行。エイズ予防法、伝染病予防法は廃止
1999 低容量ピル(経口避妊薬)承認発売
1999 世界初のドミノ分割肝移植を実施(京大)(肝臓移植)
1999 厚生省、結核緊急事態宣言
2000 日本初の脳死肺移植(大阪大)、肝臓の分割移植(京大・信州大)を実施
2000 「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」(クローン技術規制法)成立
2000 厚生省、夫婦間外の体外受精容認
2001 HIV・HCV患者への世界初の生体肝移植実施(東大)
2001 日本初の代理母による出産、波紋をよぶ
2001 日本初の凍結卵子を使用した体外受精による出産成功
2001 ハンセン病隔離政策の不当性が裁判で確定、ハンセン病補償法成立
2001 日本で初めてBSE(牛海綿状脳症)に感染したウシが確認され、食肉業界などに波紋をよぶ
2002 2001年の保健婦助産婦看護婦法の改正により「看護婦」の名称が「看護師」に変更
2002 日本で初めて肝臓移植患者が出産
2003 2002年11月に中国の広東省で発生し世界各地に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)に関して世界保健機関(WHO)が世界的警告を発したことに伴い、政府はSARSを1類感染症(感染症予防・医療法)および検疫感染症(検疫法)に指定
2003 山口県の養鶏場で高病原性トリインフルエンザの大量発生を確認(2004年にも山口、大分、京都で発生)
2004 日本初の膵島細胞移植を京都大学病院が実施
2004 神戸市の産婦人科医が学会に無申請で着床前診断を実施したことが発覚、生命倫理をめぐり議論をよぶ
2005 BCG接種(結核の定期予防接種)の際のツベルクリン反応検査廃止
2005 日本で初めて国産人工心臓の手術を東京女子医科大学病院で実施
2005 日本で初めて西ナイル熱(ウエストナイル熱)の感染者を確認
2006 政府がH5N1型インフルエンザを指定感染症(感染症予防・医療法)および検疫感染症(検疫法)に指定
2006 ニコチン依存症の禁煙治療が保険適用となる
2006 がん対策基本法成立
2006 京都大学再生医科学研究所の教授山中伸弥らが人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製に成功
2006 愛媛県宇和島市の病院で臓器売買および病気腎移植が行われていたことが明らかになり、医療界に波紋をよぶ
2007 結核予防法廃止、予防接種に関する規定は予防接種法に統合、他の規定は感染症予防・医療法に統合
2007 小型カメラを内蔵し小腸の内部を観察できるカプセル内視鏡の輸入を厚生労働省が承認
2008 メタボリック症候群等の生活習慣病の予防に重点をおいた特定健康診査(特定健診)・特定保健指導開始
2009 4月にメキシコで発生し世界各地に広がった新型インフルエンザ(ブタインフルエンザA・H1N1型)が、日本でも流行

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