日本看護協会(読み)ニホンカンゴキョウカイ

デジタル大辞泉 「日本看護協会」の意味・読み・例文・類語

にほん‐かんごきょうかい〔‐カンゴケフクワイ〕【日本看護協会】

保健師助産師看護師准看護師が自主的に加入・運営する看護職能団体公益社団法人。各都道府県の看護協会と連携して活動する全国組織。昭和21年(1946)に日本産婆看護婦保健婦協会として設立。昭和26年(1951)現名称に改称日看協JNA(Japanese Nursing Association)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本看護協会」の意味・わかりやすい解説

日本看護協会
にほんかんごきょうかい
Japanese Nursing Association

保健師、助産師、看護師、准看護師の資格をもつ個人が自主的に加入し運用する、日本最大の看護の職能団体。47都道府県看護協会が法人会員として連携活動する全国組織である。日看協、JNAと略称される。2020年度(令和2)の会員数は約76万人であり、看護職の組織率は5割程度である。

[横山美樹 2021年7月16日]

沿革

看護職のうち最初に職能団体を結成したのは助産師であり、1927年(昭和2)、助産婦(当時の呼称)の全国組織である「日本産婆会」が設立された。ついで1929年に「日本看護婦協会」が結成され、最後に1941年「日本保健婦協会」が発足した。

 第二次世界大戦後の占領下において、連合国軍総司令部GHQ)に公衆衛生福祉局が設置され、そのなかに看護課が設けられて、GHQの強い意向・指導により日本の看護改革が進められた。その一つとして、看護職が団結し政治的な力をもつために、1946年(昭和21)に看護婦・保健婦・助産婦の各職能団体が統合され、「日本産婆看護婦保健婦協会」が発足した。その後「日本助産婦看護婦保健婦協会」と改称され、さらに1951年に現在の「日本看護協会」と改められた。

[横山美樹 2021年7月16日]

活動目的とおもな事業内容

活動目的として、日本看護協会定款第3条に「都道府県看護協会との連携のもと、保健師、助産師、看護師および准看護師が教育と研鑽(けんさん)に根ざした専門性に基づき看護の質の向上を図るとともに、安心して働き続けられる環境づくりを推進し、あわせて人々のニーズに応える看護領域の開発・展開を図ることにより、人々の健康な生活の実現に寄与することを目的とする」とあり、会員の自治によって、職業倫理の向上、教育ならびに専門的学術研究に努め、人々の健康な生活の実現に寄与する活動を行っている。

 おもな事業としては、(1)看護の質の改善・向上のための生涯教育研究、(2)政策提言とその実現、(3)在宅医療・訪問看護の推進、(4)継続教育の推進、(5)専門看護師・認定看護師・認定看護管理者教育と資格認定、(6)日本看護学会の開催など、研究の振興、(7)調査研究、(8)広報活動、(9)国際交流、(10)看護職の人材確保・就業促進などを行っている。また国際看護師協会ICN)や国際助産師連盟(ICM)、各国の看護師協会との交流や被災地支援などの活動も行っている。

[横山美樹 2021年7月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本看護協会」の意味・わかりやすい解説

日本看護協会
にほんかんごきょうかい

保健師助産師看護師准看護師の任意加入の職能団体。1946年日本産婆会,日本帝国看護婦協会,日本保健婦会が合体して日本産婆看護婦保健婦協会が発足し,1951年現名称に改称した。2011年公益社団法人へ移行。本部は東京都渋谷区。全国都道府県に支部を置いている。看護の事業全体の発展を目指し,年 1回の総会,会員の研究会や研修会の開催,機関誌その他出版物の発行など幅広い活動を行なっている。国際的には国際看護師協会,国際助産師連盟,諸外国の看護師協会と交流をもっている。なお,政治活動のために日本看護連盟が 1959年に結成された。

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世界大百科事典(旧版)内の日本看護協会の言及

【看護婦】より

…その克服に向けて,看護職能は労働環境の改善,看護サービス提供の手段と場の多様化,専門性の高い看護婦の養成,看護婦の継続教育の保障などに積極的に取り組んでいる。その一翼を担う〈日本看護協会(JNA)〉は,各国の看護協会と連帯して国際看護協会(ICN,1899年創立)に参加し,看護の発展をめざして活動している。また,国際労働機関(ILO)により,看護婦の雇用と労働,および生活条件等,労働者としての権利と地位の向上を図るため,各国政府に改善への働きかけが行われている。…

※「日本看護協会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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