日本複製権センター(読み)ニホンフクセイケンセンター

デジタル大辞泉 「日本複製権センター」の意味・読み・例文・類語

にほん‐ふくせいけんセンター【日本複製権センター】

著作権者に代わって複写に係わる権利一括管理する公益社団法人。平成3年(1991)日本複写権センターとして設立。平成24年(2012)公益社団法人への移行に伴い現名称改称JRRC(Japan Reproduction Rights Center)。→著作権Rマーク

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本複製権センター」の意味・わかりやすい解説

日本複製権センター
にほんふくせいけんせんたー

委任された著作権者にかわり、著作物の複写に関する権利を集中管理し、複写使用料の徴収や権利者への分配を行う団体。英文名称はJapan Reprographic Rights Centerで、略称はJRRC。著作者団体連合、学術著作権協会、出版者著作権管理機構、新聞著作権協議会の4会員団体によって構成されている。管理著作物は一般書籍、雑誌、学術論文、新聞など多岐にわたっており、管理を委託された出版物などには、通常はreprography(複写)とright(権利)の頭文字であるRを四角で囲んだアールマーク(複製権マーク、Rマーク)が付されている。

 前身の日本複写権センターは1991年(平成3)に設立されたもので、複写機の普及により、複写に必要な許諾手続の簡素化が求められるなかで、著作権法上の著作物を複写する権利を守りながら、著作権を一括管理する組織としてつくられた。公益法人制度改革により、2012年(平成24)4月1日に日本複写権センターは社団法人から公益法人へ移行、名称を日本複製権センターと改めた。センターは、契約を結んだ企業や団体に対し、管理委託を受けている著作物の20部以下のコピーを許諾することができる。2012年3月の時点で約5000の会社や官公庁などが契約を締結している。年間契約料は契約方式により異なるが、全従業員数に基づく使用額決定方式の場合、従業員1人当り40円として全従業員数相当分となる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本複製権センター」の意味・わかりやすい解説

日本複製権センター
にほんふくせいけんセンター
Japan Reproduction Rights Center; JRRC

書籍・雑誌・新聞・美術作品・写真などの出版物が無断で紙にコピー(複写)されることを防ぐため,利用者(団体)から使用料を徴収し,管理する機関。1991年日本工学会,日本書籍出版協会を中心とした会員団体によって,著作物の適切な権利保護と利用者の利便性向上をはかることを目的に,日本複写権センターとして設立。著作権に含まれる権利の一つに複製権があり,著作物をコピーするには著作権法に従って一部を除き著作権者の許諾を得なければならない。そのため日本複製権センターでは複製にかかる権利行使の委託を受けた著作物の複製などの利用許諾,それにかかる使用料の受領・分配などを集中的に管理する。1993年国際機関である複写権管理機構国際連合 International Federation of Reproduction Rights Organisations; IFRROに加盟。1998年社団法人に移行。2012年公益社団法人移行に伴い現名称に変更。(→出版

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android