日高(支庁)(読み)ひだか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日高(支庁)」の意味・わかりやすい解説

日高(支庁)
ひだか

北海道中南部、東部は日高山脈分水嶺(ぶんすいれい)で限られ、南西部は太平洋に面する地域の自治体を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって日高振興局改称・改組された。旧日高支庁の所管区域は支庁所在地の浦河町(うらかわちょう)をはじめ、日高、平取(びらとり)、新冠(にいかっぷ)、様似(さまに)、えりも、新ひだかの7町からなる。日高山脈は幾段かの山麓階(さんろくかい)をなして高度を下げ、太平洋岸の数段の海岸段丘に終わる。その間を北東―南西方向に、沙流(さる)川、静内(しずない)川、元浦(もとうら)川などの流れによってできた河谷が河岸段丘を伴って発達し、河口付近には海岸に並行する砂丘がみられる。段丘面や河谷には畑、草地水田が開けて農村が展開し、河口付近には市街地があり、国道235号、236号、237号、274号、336号が各町を連絡する。冬季の積雪は少ないが、夏季は海岸では濃霧が襲い、火山灰質の段丘面は耕作条件が悪い。このため草地利用の軽種馬(競走馬)飼育が第二次世界大戦後に発展し、日本一の競走馬産地となった。大レースで優勝した名馬余生を送ることも多く、襟裳(えりも)岬などとともに観光客をひきつけている。日高山脈から襟裳岬にかけては日高山脈襟裳国定公園域となっている。

[柏村一郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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