日高(村)(読み)ひだか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日高(村)」の意味・わかりやすい解説

日高(村)
ひだか

高知県中部、高岡郡の村。1954年(昭和29)日下(くさか)、能津(のうづ)の2村と加茂(かも)村の一部が合併して成立。仁淀(によど)川中流右岸を占め、東流してこれに注ぐ日下川沿いに地溝状の日下平野が開ける。近世本流に鎌田堰(かまだぜき)・八田(はた)堰が設けられたため仁淀川との水位差が小さくなり、日下平野は洪水の被害を受けやすくなった。1975年には台風による集中豪雨で大被害を受けたため、日下川放水トンネルなど治水事業が行われた。かつてはキリュウ(杞柳)栽培が多かったが、現在はトマトなどの促成野菜や茶の栽培が中心。和紙製造のほか、工業団地が造成され、パルプ・紙加工の工場などが操業している。また、ゴルフ場もある。日下川沿いにJR土讃(どさん)線、国道33号が通じ、高知市の通勤圏に含まれる。小村神社(おむらじんじゃ)の神体は古墳時代後期の金銅荘環頭大刀拵(こんどうそうかんとうたちこしらえ)・大刀身(たちのみ)で国宝に指定されている。面積44.85平方キロメートル、人口4812(2020)。

[正木久仁]

『『日高村史』(1976・日高村)』


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