出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
三重県中東部,多気郡の町。人口2万2833(2010)。町域の大部分が伊勢平野に属する沖積低地で,西部を櫛田川の分流祓(はらい)川が,中央を笹笛川がおのおの北流して伊勢湾に注ぐ。神前山(かんざきやま)古墳群,天皇山古墳群など多数の古墳や遺跡がある。伊勢神宮に奉仕した斎王の宮が置かれたところで,斎宮跡(史)の東方には水池土器製作遺跡(史)があり,神宮や斎宮寮に調進する土器を製作していたと考えられる。現在も蓑村に神宮の土器調製所がある。志貴御厨(しきみくりや),藤原御薗など神宮の御厨や御薗も多数置かれていた。江戸時代は神宮領のほか津藩領,鳥羽藩領,紀州藩領などが錯綜した。斎宮や明星などには参宮街道に沿って旅籠(はたご)や茶屋が立ち並んだ。農業は米作や施設園芸のほかラッキョウの産地で,沿岸部ではノリの養殖や貝類の産もある。また養川(ようかわ)には松阪木綿(みいと織)の伝統を受け継ぐ正藍染め綿布製造の工場もある。斎宮のハナショウブ群落は国の天然記念物。かつての参宮街道に沿って近鉄山田線が通じ,また国道23号線が走る。
執筆者:上田 雅子
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