昔話・昔噺（読み）むかしばなし

精選版 日本国語大辞典

むかし‐ばなし【昔話・昔噺】

〘名〙

① 昔のことの話。以前にあったことの話。昔がたり。

※俳諧・曠野（1689）八「散花の間はむかしばなし哉〈越人〉」

② 口承文芸の一つ。「むかしむかし、あるところに」などのことばで語り始め、内容は空想的で、子どもなどに語り聞かせる物語。花咲爺・桃太郎・舌切雀・猿蟹合戦・かちかち山などの類。

※日本読本（1887）〈新保磐次〉四「猿蟹の合戦〈略〉を聞きしことありき。昔話を聞くは誠に楽しき事なり」

③ 江戸末期、咄家が演じる人情話の類をいう。転じて、落語。

※咄本・当世推故伝（1848）「予にむかし咄しの小冊を編(つづ)りてよとあるに」

出典　精選版 日本国語大辞典