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映画ファンド えいがふぁんど cinema fund

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知恵蔵2015の解説

映画ファンド

映画の製作資金を個人投資家や企業などから幅広く公募・調達するシステム。2004年12月、約80年ぶりに改正された信託業法が施行され、映画やアニメの製作資金集めに信託システムが使えるようになった。映画製作の一番の課題は「資金繰り」である。話題作ともなると、最低でも10億円は必要となる。膨大な製作費を、映画会社が単独で負担するには限界があり、従来はテレビ局広告会社など数社が資金を分担する「製作委員会」システムが一般的だった。このシステムの欠点は、著作権が、保護期間の70年間、参加各社に分散することだ。加えて、製作から公開、ビデオDVD販売まで、収益が確定するまでに時間がかかりすぎること。ファンドを利用すれば、映画会社は一定期間後に単独で著作権を買い取れるし、なにより「資金繰り」の苦労がなくなる。松竹は05年秋公開の伝奇ロマン「SHINOBI」の製作資金を映画ファンら一般の個人を対象に1口10万円で公募していた。利回りの低い元本90%保証と利回りの高い元本60%保証の2タイプがあり、配当以外にも特別試写会招待や非売品グッズなどの特典がつく。その結果、締め切りの05年2月末までに1295人の応募があり、5億220万円が集まった。一方、角川映画は企業向けファンドで35億円を調達。作品ごとの利益配分ではなく、収益を次回作に回して7年間で最大20本の映画を製作、その後に利益を配分するシステムで、ホラー映画着信アリ2」やSFアクション戦国自衛隊1549」、冒険ファンタジー妖怪大戦争」などが作られている。また、総額46億円に上る国内最大規模の個人投資家向け映画ファンド「シネカノン・ファンド」は06年から07年にかけて約20本の作品の製作・買い付けを計画。その1本、06年製作の「フラガール」は興収14億円を計上した。

(宮本治雄 映画ライター / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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