是非無(読み)ぜひない

精選版 日本国語大辞典 「是非無」の意味・読み・例文・類語

ぜひ‐な・い【是非無】

〘形口〙 ぜひな・し 〘形ク〙
善悪にかかわらない。よいわるいの判断を持たない。ひたすらである。
※栄花(1028‐92頃)岩蔭「中宮若宮の御事の定りぬるを、例の人におはしまさば、ぜひなく嬉しうこそはおぼしめすべきを」
太平記(14C後)八「兵四人進み出て数千騎扣(ひか)へる敵の中へ、無是非(ゼヒなク)打って懸りけり」
② しかたがない。やむを得ない。是非もない。
大乗院寺社雑事記‐文正元年(1446)一〇月五日「大和・河内両国物忩、無是非次第也」
※評判記・吉原讚嘲記時之大鞁(1667か)みはる「御ひまをとへば、だんだんやくそくつづきて、此月中はならずといふ。さてもぜひないこんだ」
③ 当然である。いうまでもない。
風姿花伝(1400‐02頃)二「物狂出立、似合ひたるやうに出立つべき事、ぜひなし」
ぜひな‐げ
〘形動〙
ぜひな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android