時刻・時剋(読み)じこく

精選版 日本国語大辞典 「時刻・時剋」の意味・読み・例文・類語

じ‐こく【時刻・時剋】

〘名〙
① 時の流れの瞬間的な一点。
※続日本紀‐宝亀五年(774)一一月乙巳「陸奥国言、大宰、陸奥、同警不虞、飛駅之奏、当時尅。而大宰既有漏尅。此国独無其器者、遣使置之」
※光悦本謡曲張良(1516頃)「暁鐘をかぞへ待つるに、はや其時刻もすぎのかど」 〔宋書‐蕭皇后伝〕
② 一瞬一瞬の時を刻みながら流れてゆく、その時間。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※元祿版古今著聞集(1254)一九「花ならびに掌燈等、遅々して時尅おしうつりけり」
③ ちょうどよい時。時節時機。機会。
※謡曲・親任(1541頃)「おん身はいづかたへも忍び給ひ、時刻を窺ひ家を興し兄の敵を取り給ひ」
④ ある一定の時間。打消の語を伴って、ゆとりがなくせっぱつまった状況を表わす。
幸若・文学(室町末‐近世初)「ほばしらをたてなをせといへる時刻もなかりけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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