デジタル大辞泉
「暖流」の意味・読み・例文・類語
だんりゅう【暖流】[作品名]
岸田国士の小説。昭和13年(1938)発表。病院の再建に尽くす人々の愛憎を描く。
吉村公三郎監督による映画の題名。昭和14年(1939)公開。「啓子の巻」「ぎんの巻」の2篇がある。出演、佐分利信、高峰三枝子、水戸光子ほか。
増村保造監督による映画の題名。昭和32年(1957)公開。出演、根上淳、左幸子、野添ひとみほか。
野村芳太郎監督による映画の題名。昭和41年(1966)公開。出演、岩下志麻、倍賞千恵子、平幹二朗ほか。
[補説]~はいずれもを原作とした作品。
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だん‐りゅう ‥リウ【暖流】
[1]
① あたたかい水の流れ。〔越王貞‐奉和
聖製過
温湯詩〕
② 流域外より水温の高い海流。熱帯または
亜熱帯に源を発し、高緯度地方に向かって流れる。藍
(あい)色・透明で塩分が多く、プランクトンは少ない。黒潮、メキシコ湾流など。⇔
寒流。
※日本地文学(1889)〈矢津昌永〉四「此辺を航海するものは其気候の変化に依りて明に寒流及び暖流を知り得べく」
[2] 小説。岸田国士(くにお)作。昭和一三年(一九三八)発表。青年日疋(ひびき)祐三は恩義ある志摩病院の再建に尽くし、理想の女性である院長の娘啓子に失恋するが、看護婦石渡ぎんとの愛に新しい生活を見出して行く。理想と現実の中で良心的に生きる青年の姿を肯定的に描く。
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普及版 字通
「暖流」の読み・字形・画数・意味
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暖流〔岸田国士〕
①岸田国士の小説。1938年発表。私立病院を舞台に男女の愛憎を描く。
②1957年公開の日本映画。①を原作とする。監督:増村保造。出演:根上淳、左幸子、野添ひとみほか。
③東海テレビ制作、フジテレビ系列放映による日本の昼帯ドラマ。①を原作とする。1964年8月~11月放映(全65回)。出演:長内美那子、高松英郎ほか。
④1966年公開の日本映画。①を原作とする。監督・脚色:野村芳太郎、脚色:山田洋次、撮影:川又昂。出演:岩下志麻、倍賞千恵子、平幹二朗、細川俊之、小川真由美、笠智衆、夏川静江ほか。
⑤TBS系列放映による日本の昼帯ドラマ。ドラマ30。①を原作とする。2007年4~6月放映(全55回)。出演:さとうやすえ、山田純大ほか。
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暖流
中緯度の海流は、近似的に暖水と冷水の境目をほぼ等温線に沿って流れており、暖流といっても、決して周りより暖かい水の流れではなく、海洋学上あまり使わ れない。しいて定義すると、大気に大量の熱を与えつつ、それ自体は流下方向に水温を下げていく海流ということになる。ただ、北半球で岸を右手に、岸に沿っ て流れる海流では、流軸から海岸まで比較的狭い帯状域に暖水が存在することになり、暖流という言葉がぴったりした感を与えるので、対馬海流・宗谷海流・津 軽海流の場合には、しばしば対馬暖流というような呼び方が使われることが多い。 (永田)
出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報
暖流
だんりゅう
warm current
流域外の海水に比べて高温な海流。寒流の対語。一般に暖流の源は熱帯や亜熱帯にあり,寒流に比べて高塩分で酸素,ケイ酸塩,リン酸塩などが少い。したがってプランクトンも少く,生産力は小さい。太平洋の黒潮や大西洋のメキシコ湾流は暖流の代表的なものである。日本近海では対馬暖流や宗谷暖流などがある。
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だんりゅう【暖流】
沖縄の泡盛。酒名は、進貢船(しんこうせん)が暖流に乗り交易していた琉球交易時代のロマンや華やかさをイメージして命名。昭和43年(1968)に発売された樫樽貯蔵泡盛の先駆け。3年以上熟成させた古酒。古酒をブレンドした一般酒もある。原料はタイ米、黒麹。アルコール度数25%、30%、35%。蔵元の「神村酒造」は明治15年(1882)那覇で創業。平成11年(1999)石川高原の麓に移転。所在地はうるま市石川嘉手苅。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
世界大百科事典(旧版)内の暖流の言及
【海流】より
…そこで便宜上例えば,吹走流(風の応力でできる流れ),傾斜流(海面傾斜によるもの),密度流(海水の密度差に起因するもの),補流(ある海域の水がなんらかの原因で流れ去るとその分を補うため他から海水が流れてくる)などの言葉を使うことがあるが,もともとこれらを含めて複雑な要因がからみ合って一つの海流を形成するのであるから,上記の分類で海流をはっきり区別するのは無理がある。 このほか,実生活上よく使われる分類として暖流と寒流があるが,科学的には厳密さを欠く分類法で,二つの海流が接している時に温度の高い方を暖流,低い方を寒流と呼んで区別するのに便利だという程度の意味である。例えば黒潮と[親潮]は三陸沖で接するが,このとき黒潮は暖流,親潮は寒流と呼ばれる。…
※「暖流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」