20世紀日本人名事典 「有吉 佐和子」の解説
有吉 佐和子
アリヨシ サワコ
- 生年
- 昭和6(1931)年1月20日
- 没年
- 昭和59(1984)年8月30日
- 出生地
- 和歌山県和歌山市真砂町
- 学歴〔年〕
- 東京女子大学短期大学部英語科〔昭和27年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 小説新潮賞(第10回)〔昭和39年〕「香華」,女流文学賞(第6回)〔昭和42年〕「華岡青洲の妻」,芸術選奨文部大臣賞(第20回)〔昭和44年〕「出雲の阿国」,毎日芸術賞(第20回・昭53年度)〔昭和54年〕「和宮様御留」
- 経歴
- 横浜正金銀行勤務の父とともに幼時から外国で暮らし、国内でも転校を繰り返した。在学中から創作活動を始め、昭和31年伝統芸術の世界を描いた「地唄」が芥川賞候補となって文壇にデビュー。その後、「紀ノ川」「香華」「有田川」「華岡青洲の妻」「出雲の阿国」「和宮様御留」と数々のヒット作を放ったが、やがて社会問題に鋭い目を向け、ボケ老人を扱った「恍惚の人」(47年)、環境汚染問題に迫った「複合汚染」はともに大ベストセラーとなり、“恍惚の人”“複合汚染”はその年の流行語になった。また演劇方面にも造詣が深く、劇作家として歌舞伎、文楽、大衆演劇、新劇、宝塚、日本舞踊とあらゆる分野に作品を提供する一方、「香華」「華岡青洲の妻」など自ら脚色・演出した作品も少なくない。また、34年に米国に留学、曽野綾子とともにその和魂洋才ぶりが注目を集めた。「有吉佐和子選集」(第1期・全13巻 第2期・全13巻 新潮社)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報