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有酸素的過程 (aerobic process) ゆうさんそてきかてい

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馬の用語事典の解説

有酸素的過程 (aerobic process)

運動強度が低い場合には、筋肉内のATPの分解速度は遅く、ATPの再合成は十分な酸素の供給のもとで行われる。特に持久的な運動では、この供給系によるエネルギーの補給が中心になる。有酸素的過程によるATPの再合成は、筋線維内のミトコンドリアで行われる。その経路は、上述の解糖系(グリコーゲンまたはグルコースの分解)により、ピルビル酸および脂質である遊離脂肪酸(free fatty acid,FFA)がβ酸化経路によりアセチルCoAに転換され、次いでTCAサイクルに取り込まれて複雑な過程を経て処理される。TCAサイクルではATPが合成されるわけではなく、ここの反応で重要なことは水素ができることである。そして電子伝達系は、この水素から電子を受け取り、幾つもの反応の末最終的に酸素を還元して水にし、その過程においてATPを産生する。この電子伝達系におけるATPの再合成を酸化的リン酸化(oxidative phosphorylation)という。この場合、グリコーゲン1分子から36分子のATPが産生され、解糖系に比べてその産生効率は著しく大きいといえる。もう一つの主要なエネルギー源である脂肪酸では、パルミチン酸1分子が、β酸化系からTCAサイクルを経て完全分解すると、130分子のATPが産生される。
このように有酸素的過程におけるATPの産生効率は無酸素的過程に比べて著しく大きいが、その代謝速度は筋肉に対する酸素供給能に依存するために緩徐である。しかも、この代謝過程で利用されるエネルギー物質であるグリコーゲンやトリグリセドは馬体内に大量に蓄えられており、酸素が十分供給され、体内の糖や脂質がなくならない限り、時間的には無限にエネルギーを供給し続けることが可能である。この有酸素的過程は、馬の競技のうちでも比較的長時間にわたる持久性競技(耐久騎乗競技、総合馬術競技、狩猟ショー、乗馬)および持久走に激しい運動が間欠的に加わるような競技(ポロ競技、障害飛越競技)において、エネルギー供給の主要な役割を果たしている。

出典|馬の用語事典:JRA競走馬総合研究所
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