木戸・城戸(読み)きど

精選版 日本国語大辞典 「木戸・城戸」の意味・読み・例文・類語

き‐ど【木戸・城戸】

〘名〙
① 柵(さく)に作った門。
※古事記(712)中「唯木戸のみぞ是れ掖月の吉き戸」
② 城門。城の入口。また、転じて城のこと。
吾妻鏡‐治承四年(1180)八月二六日「引籠于当所衣笠城、各張陣〈略〉西木戸和田太郎義盛」
関所の門。
今昔(1120頃か)二六「守の其関を入に、供の人を書立て、次第に関を入て、入れ畢(はて)て後にぞ木戸を閇(たて)ける」
④ 江戸時代、江戸市中の表通りの町々の境にたてた門。保安、取締りのために設けられた町木戸。また、街道筋に当たる所には、これの大きなものがあった。大木戸。
※政談(1727頃)一「江戸中を手に入るると云愚按の仕方は、武家屋鋪も町方の如く一町一町に木戸を付け、木戸番を置き」
⑤ 庭や露地に設けられた簡単な開き戸。また、その出入口。
※人情本・春色恵の花(1836)初「なるほど田舎は気楽なものだ。入口の木戸を〆りゃア裏ぐちは行抜でもかまはねへとは」
芝居などの興行場に設けられた客の出入口。
※俳諧・桜川(1674)春「初芝居あしたことにや木戸の番〈東竹〉」
⑦ 「きどせん(木戸銭)」の略。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「木戸は五十銭だヨ」
⑧ 「きどばん(木戸番)②」の略。
浮世草子傾城色三味線(1701)鄙「惣座中は申におよばず、木戸半畳(はんじやう)、やぐらだいこを打ます」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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