日本大百科全書(ニッポニカ) 「木頭(旧村名)」の意味・わかりやすい解説
木頭(旧村名)
きとう
徳島県南西部、那賀郡(なかぐん)にあった旧村名(木頭村(そん))。現在は那賀町の西部を占める地域。旧木頭村は、2005年(平成17)鷲敷(わじき)、相生(あいおい)、上那賀の3町および木沢(きさわ)村と合併して那賀町となった。剣(つるぎ)山地南部、那賀川の上流域にある。国道195号、四ツ足峠トンネルで高知県の物部(ものべ)川流域に通ずる。杉の美林で知られるいわゆる木頭林業地帯の中心である。明治初期に徳島藩の藩有林から転換した民有林が多く、木材はかつては那賀川を利用して流されたが、現在はダム設置のため陸上輸送。那賀川総合開発で道路も整備され林業開発も進んでいる。また近年では、ユズの生産が盛ん。跡継ぎとは別棟に住む隠居制が残っているが、過疎化で集落の再編成がみられる。お盆の木頭踊は有名。北西部一帯は剣山国定公園の一部である。なお、旧木頭村は国の計画したダム建設を20年以上にわたり村をあげて反対運動を展開、2000年にダム計画を中止させたことでも知られる。
[高木秀樹]
『『木頭村誌』(1961・木頭村)』
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