本松斎一甫(初代)(読み)ほんしょうさい・いっぽ

朝日日本歴史人物事典 「本松斎一甫(初代)」の解説

本松斎一甫(初代)

没年:明治5(1872)
生年:生年不詳
幕末維新期,浅草に住んだ遠州流下谷派の挿花師匠。江戸小川町猿楽の生まれ。本名海野市郎右衛門。旗本森川出羽守の家来といわれる。江戸中期以降,遠州流を名乗る花道各派があるが,これは高名な大名茶人小堀遠州の名にあやかったものであろう。遠州流下谷派の祖は日寛上人こと本松斎(唐松斎)一得といわれ,一甫の以前に本松斎一鯨を称える3人の花人がいるが,一得,一鯨,一甫たちが業学したはずの当時の遠州流の花論や技法,伝習心得については,何ひとつ定かでない。明治時代に9代本松斎一甫の活躍が目立つ。昭和14(1939)年に中居一伯が,家元14世を継承している。

(岡田幸三)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本松斎一甫(初代)」の解説

本松斎一甫(初代) ほんしょうさい-いっぽ

?-1872 江戸後期-明治時代の華道家。
下総(しもうさ)生実(おゆみ)藩(千葉県)藩士という。3代本松斎一鯨(いっけい)に遠州流華道をまなび,はじめ6代松養斎一伯と称する。のち一鯨をついだが,流派の中の争いから一甫と改名,初代となった。明治5年8月17日死去。姓は海野・通称は一郎右衛門,のち市兵衛。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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