机・案(読み)つくえ

精選版 日本国語大辞典 「机・案」の意味・読み・例文・類語

つくえ【机・案】

〘名〙 (歴史的仮名遣いは従来「つくゑ」とされてきたが「つくえ」が古い語形か)
長方形の脚つきの台。宮殿調度の一種で、床に直接置けない器具を載せ、献饌(けんせん)進物の台としても用いる。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「夫(そ)の品(くさく)の物、悉くに備(そな)へて百机(ももとりのツクエ)に貯(あさ)へて饗(みあへ)たてまつる」
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「御子たちつかう賄し給ふ。博打、童部、らうそく集りて、つくゑたてて物食ふ」
文房具の調度として読書や執筆に用いる台。文机(ふづくえ)。〔日葡辞書(1603‐04)〕
随筆・北越雪譜(1836‐42)初「居間の二階にて書案(ツクヱ)によりて物を書きてをられしが」
[語誌]「つくえ」の「え」は、「十巻本和名抄‐四」に「都久恵」とあるところからワ行の「ゑ」と考えられてきた。しかし現在では、「小川本願経四分律平安初期点」や、「法華義疏紙背和訓」に「ツ支江」とあることなどから、ヤ行の「え」であると考えられるようになった。

つきえ【机・案】

〘名〙 =つくえ(机)
※法華義疏紙背和訓(928頃か)「金々案々(ツキエ)
※古活字本毛詩抄(17C前)一七「つくへなれ共つきへとよむぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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