日本大百科全書(ニッポニカ) 「村掟/近江今堀地下掟」の意味・わかりやすい解説
村掟/近江今堀地下掟
むらおきておうみいまぼりじげおきて
〔日吉神社文書〕
定今堀地下掟之事
合(あわせて) 延徳元年〈己酉〉十一月四日
一 神仏田納事、大家小家不レ寄、安室ニテ可レ納事。
一 塩増(えんそ)雑事(ぞうじ)ハ、神主可レ有二用意一、代ハ惣ヨリ可レ出候。
一 薪・すミハ、惣ノヲタクヘシ。
一 ヘツイニ参タル米、惣へ取候て、惣ヨリ五升、神主方へ可レ出候。
一 惣ヨリ屋敷請(うけ)候て、村人ニテ無物不レ可レ置事。
一 屋敷二分不レ可レ取事。
一 他所之人を地下ニ請人(うけにん)候ハて、不レ可レ置候事。
一 惣ノ地ト私ノ地ト、サイメ相論ハ、金ニテすますヘシ。
一 惣森ニテ青木ハ葉かきたる物ハ、村人ハ村を可レ落、村人ニテ無物ハ、地下ヲハラウヘシ。
一 結鎮懸米(けちのかけまい)ハ十月八日可レ取。
一 九月九日米ハ八月八日可レ取。
一 犬かうへからす事。
一 すゝめ憑支(たのもし)、取次不レ可事。
一 ムシロハライ一斗、神主方へ可レ取。
一 二月・六月サルカクノ六ヲ、壱貫文ツヽ、惣銭ヲ可レ出者也。
一 家売タル人ノ方ヨリ、百文ニハ三文ツヽ、壱貫文ニハ卅文ツヽ、惣へ可レ出者也。背二此旨ヲ一村人ハ、座ヲヌクヘキ也。
一 家売タル代カクシタル人ヲハ、罰状(ばつじょう)ヲスヘシ。
一 家立時ノ硯酒(けんしゅ)三文銭、不レ可レ出者也。
一 ユイシハ、七子ヨリスキテメサレ候ハ、座ヘハ不レ可レ入者也。
一 堀ヨリ東ヲハ、屋敷ニスヘカラス者也。
(『中世政治社会思想 下』による)