東京一極集中(読み)とうきょういっきょくしゅうちゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京一極集中」の意味・わかりやすい解説

東京一極集中
とうきょういっきょくしゅうちゅう

後発国として出発した日本において,東京は明治維新以来常に政治・経済・文化など機能複合的な中心性・中枢性を保持し続けてきた。東京一極集中はこの伝統に起因している。しかも近年では,情報化の著しい進展により情報の発信基地としての東京の役割が強化されている。さらに国際化の中で,東京はニューヨークロンドンと並ぶ国際金融情報センターとなり,世界の代表的な企業が東京に拠点を設けるようになってきている。しかしその半面,東京は過密化と肥大化,地価高騰などの問題を抱えており,その解決策として遷都や分都などが提唱されてはいるが,東京が持つ求心力を弱めることは容易ではない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の東京一極集中の言及

【国土総合開発】より

…産業構造がいわゆる重厚長大型から軽薄短小型に移行する中で,各県はエレクトロニクス,バイオテクノロジーなどの先端産業の誘致にしのぎをけずったのである。 このような形で進行してきた工場の地方分散は,日本の工業生産力に大きく寄与し,それが管理中枢の集積力をかえって強め、1980年代半ばから東京一極集中が再び問題となってきた。四全総は地方における高齢化の進行,不況産業地域の雇用問題などへの対処のために地域社会の発展の担い手の確保や広域連携の必要性を主張する。…

※「東京一極集中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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