酒戸(読み)しゅこ

精選版 日本国語大辞典 「酒戸」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐こ【酒戸】

〘名〙
令制で、宮内省被管の造酒司に属する戸。一年の一定期間造酒司に勤務する義務を負う品部(しなべ・ともべ)で、調・雑徭を免除された。大和河内摂津国に一八五戸あった。〔令義解(718)〕
② さかや。さかみせ。酒店
※通俗酔菩提全伝(1759)二「我酒戸(シュコ)(〈注〉サカヤ)に逼(せまられ)て苦を受こと多時」 〔姚合‐送狄兼謨下第帰故山詩〕
③ 酒飲み。また、飲酒の量。〔元稹‐春遊詩〕

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デジタル大辞泉 「酒戸」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐こ【酒戸】

律令制で、造酒司みきのつかさに属する戸。

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普及版 字通 「酒戸」の読み・字形・画数・意味

【酒戸】しゆこ

酒屋。また酒量。多少を以て上戸・下戸という。宋・陸游深居〕詩 來酒、何ぞ小なるを妨げん 老去詩名、低きを厭(いと)はず

字通「酒」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の酒戸の言及

【品部】より

…令制下になると,大化前代の職業部の一部を解放せず,諸官司に配属し特殊な労働や製品の貢納を義務づけた集団を品部とした。この内には図書寮紙戸(しこ)(借品部),雅楽寮楽戸(がくこ),造兵司雑工戸(ざつこうこ)(爪工・楯縫・幄作),鼓吹司鼓吹戸(つづみふえへ),主船司船戸(ふなべ),主鷹司鷹戸(たかかいべ),大蔵省狛戸(こまべ),漆部司漆部(ぬりべ),織部司染戸(そめへ),大膳職雑供戸(ざつくこ),大炊寮大炊戸(おおいべ),典薬寮薬戸(やくこ)・乳戸(にゆうこ),造酒司酒戸(さかへ),園池司園戸(そのへ),土工司泥戸(ぬりへ),主水司氷戸(もひとりへ)等があり,大宝令の官員令別記によると総数は借品部の紙戸を含めて2107戸,品部と明記されないが品部とみなすべきもの380戸,合計2487戸にのぼる。その居住地は畿内とその近国に限られる。…

【造酒司】より

…酒,醴(あまざけ∥こさけ),酢等の醸造,天皇等への供奉や官司等への供給をつかさどる令制の宮内省所属の官司。職員は,正(長官),佑(判官),令史(主典)各1人,酒部(さかべ)(伴部)60人,酒戸(しゆこ)(品部)等。酒部は酒類の供奉や供給(酌や献酒など)をつかさどる。…

※「酒戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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