東和(宮城県)(読み)とうわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東和(宮城県)」の意味・わかりやすい解説

東和(宮城県)
とうわ

宮城県北東部、登米郡(とめぐん)にあった旧町名(東和町(ちょう))。現在は登米市の北東部を占める地域。岩手県に接する。旧東和町は、1957年(昭和32)米谷(まいや)町と日高村が合併して成立。2005年(平成17)迫(はさま)、登米(とよま)、中田(なかだ)、豊里(とよさと)、米山(よねやま)、石越(いしこし)、南方(みなみかた)、津山(つやま)の8町と合併して市制施行し、登米市となった。地域は丘陵性の山地で占められ、西部を流れる北上(きたかみ)川とその支流二股(ふたまた)川流域に耕地が分布する。国道346号、398号、456号が通じる。東部の狼河原(おいかわら)では近世初期から製鉄が行われ、製鉄法を伝えた千松兄弟の布教によりキリシタン信仰が広められたが、のち弾圧を受け、その遺跡が残されている。殉教の地として、1956年には米川カトリック教会(よねかわかとりっくきょうかい)が献堂された。米谷は北上川の河港として繁栄した。現在は農林業が主産業。西上沢(にしかみさわ)には仙台藩士でキリシタンの後藤寿庵(じゅあん)のものと伝えられる墓がある。鱒淵川(ますぶちがわ)のゲンジボタル発生地は国の天然記念物。「米川の水かぶり」は、2000年(平成12)に国の重要無形民俗文化財指定、2018年には「来訪神仮面仮装の神々」を構成する行事一つとしてユネスコ国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。

[後藤雄二]

『『東和町史』(1987・東和町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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