朝日日本歴史人物事典 「杵屋六左衛門(12代)」の解説
杵屋六左衛門(12代)
生年:天保10(1839)
明治期の長唄の三味線方。2代目芳村孝三郎の3男。本名惣次郎。3代目六松を継ぐ。三味線の技量がすばらしく,10代目杵屋六左衛門の懇望により,その第2養子となり11代目喜三郎を継ぐ。慶応4(1868)年,義兄11代目六左衛門より六左衛門名義を譲り受ける。明治27(1894)年,子の12代目喜三郎に六左衛門名義を譲り,勘兵衛を名乗る。「新松竹梅」「四季の詠」などを作曲。政治的手腕にも優れ,22年,東京歌舞伎座の開場とともにその囃子頭となり,植木店派の全盛期を確立させた。<参考文献>町田嘉章『長唄浄観』,町田博三『長唄稽古手引草』
(植田隆之助)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報