松岡能一(読み)まつおか・よしかず

朝日日本歴史人物事典 「松岡能一」の解説

松岡能一

没年:文化1(1804)
生年:元文2(1737)
江戸中期の和算家通称良助,貞八長延ともいう。大坂城付京橋組同心。宅間流4代の内田秀富に入門。同門中第一といわれた。宅間流5代。内田の『算用手引草』(1755)の巻末に免許の目録20個条を書いている。このころはまだ免許目録の厳重な制度はなかったらしく,松岡が整備したものといわれる。宅間流は大坂で細々と続いていた学派だが,師内田のころには宅間流という名称の記録は見当たらず,松岡の『方陣円陣解』に「浪華住宅間流五世松岡良助能一著」となっているから彼の命名であろう。『新考立円術』(1761)の中の球の求積では,平行な平面で細截してその体積の和を級数で求め,結果的にπの6分の1に直径の3乗を乗じたものを出している。

(道脇義正)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松岡能一」の解説

松岡能一 まつおか-のういち

1737-1804 江戸時代中期-後期の和算家。
元文2年生まれ。大坂城付京橋組同心。内田秀富にまなび,宅間流5代をつぐ。文化元年死去。68歳。通称は貞八,良助。名は「よしかず」ともよむ。著作に「宅間流円理」「算学稽古(けいこ)大全」。子の清信(せいしん)も「宅間流角術」をあらわす。

松岡能一 まつおか-よしかず

まつおか-のういち

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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