松島(町)(読み)まつしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松島(町)」の意味・わかりやすい解説

松島(町)
まつしま

宮城県中東部、宮城郡の町。松島湾北西岸に位置する。1928年(昭和3)町制施行。JR東北本線と仙石(せんせき)線、国道45号、346号、三陸自動車道が通じ、松島大郷(おおさと)、松島北の各インターチェンジがあるほか、松島パノラマラインが通じる。江戸時代に品井沼(しないぬま)干拓のためつくられた人工河川の高城川(たかぎがわ)が南流し、河口の高城は仙台藩政期から塩田宿場町として繁栄、現在は町役場が置かれている。その東の手樽湾(てたるわん)は1968年(昭和43)に干拓が完成し、1102ヘクタールの水田が造成された。米作のほか、畜産や施設園芸が行われている。松島湾ではノリやカキアサリ養殖が盛ん。松島海岸は日本三景の一つ特別名勝松島の中心で、国宝、重要文化財を多く有する瑞巌寺(ずいがんじ)をはじめ多くの名所があり、観光客が絶えない。国指定史跡に西の浜貝塚がある。面積53.56平方キロメートル、人口1万3323(2020)。

[境田清隆]

東日本大震災〕2011年(平成23)の東日本大震災では、湾内島々に守られ津波の最大高が4メートル弱と、周辺市町村に比べて低かったとはいえ、死者7人、住家全壊221棟・半壊1785棟を数えた(消防庁災害対策本部「平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第159報)」平成31年3月8日)。基幹産業である観光業をみると、2015年度の観光客入込数は272万7000人、うち宿泊者数65万5000人で、震災前の2009年度の数値(観光客入込数368万6000人、うち宿泊者数67万9000人)を取り戻すにはいたっていない(松島町統計資料)。

[編集部 2019年10月18日]

『『松島町誌』(1960・松島町)』『『松島町史』全4巻(1989~1991・松島町)』


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