松煙・松烟(読み)しょうえん

精選版 日本国語大辞典 「松煙・松烟」の意味・読み・例文・類語

しょう‐えん【松煙・松烟】

〘名〙
① 松を燃やすときに立ちのぼる煙。松は樹脂分が多いので、濃い黒煙が出る。
※本朝麗藻(1010か)下・晩秋遊清水寺上方〈藤原有国〉「路僻遙登巖桂月、梯危斜度澗松煙」 〔楊衡‐題玄和師仙薬室詩〕
たいまつの煙。
③ 松材などを不完全燃焼させてつくるカーボンブラック(炭素の微粉末)。すすの純度は低いが安価なことが特色。印刷インク、靴墨などに用いる。〔二十巻本和名抄(934頃)〕 〔筆陣図〕
④ 墨(すみ)異称
菅家文草(900頃)五・石硯「道成分水剤、功遂染松煙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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