枕草子・枕草紙・枕冊子(読み)まくらのそうし

精選版 日本国語大辞典 「枕草子・枕草紙・枕冊子」の意味・読み・例文・類語

まくらのそうし まくらのサウシ【枕草子・枕草紙・枕冊子】

随筆。清少納言著。長徳・長保年間(九九五‐一〇〇四)頃、漸次書かれていったものか。異本が多く、雑纂本系の三巻本・能因本、類纂本系の前田家本・堺本がある。一条天皇皇后定子に仕えた宮中生活の体験をもとにした三〇〇余の章段からなり、その内容によって類聚章段、日記的章段、随想章段に分けて考えられることが多い。澄んだ鋭敏な目で周囲に美を発見し、人生の断章を印象深く把握する。「をかし」の美を基軸に据え、描写は正確・簡潔である。「源氏物語」と並ぶ平安文学の双璧、随筆文学の代表とされる。清少納言枕草子、清少納言記ともいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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