20世紀日本人名事典 「林 芙美子」の解説
林 芙美子
ハヤシ フミコ
昭和期の小説家,詩人
- 生年
- 明治36(1903)年12月31日
- 没年
- 昭和26(1951)年6月28日
- 出生地
- 山口県下関市田中町
- 本名
- 林 フミコ
- 別名
- 別筆名=秋沼 陽子
- 学歴〔年〕
- 尾道高女〔大正11年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 女流文学者賞(第3回)〔昭和24年〕「晩菊」
- 経歴
- 大正11年上京、売り子、女給などさまざまな職を転々としながら、詩や童話を発表。この時期、アナーキスト詩人、萩原恭次郎、高橋新吉らと知りあい大きな影響を受ける。13年7月友谷静栄と詩誌「二人」を創刊。昭和3年から4年にかけて「女人芸術」に「放浪記」を発表して好評をうける。4年詩集「蒼馬を見たり」を刊行。5年刊行の「放浪記」はベストセラーとなり、作家としての立場を確立した。5年中国を、6年から7年にかけてはヨーロッパを旅行。6年「風琴と魚の町」、10年「泣虫小僧」「牡蠣」、11年「稲妻」など秀作を次々と発表。戦争中も従軍作家として、中国、満州、朝鮮を歩く。戦後は戦前にまさる旺盛な創作活動をはじめ、「晩菊」「浮雲」などを発表、流行作家として活躍したが、「めし」を「朝日新聞」に連載中、持病の心臓弁膜症に過労が重なって急逝した。「林芙美子全集」(全16巻 文泉堂)(全23巻 新潮社)や「林芙美子全詩集」がある。平成2年新宿区が邸宅を買い取り、林芙美子記念館として一般公開。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報