日本大百科全書(ニッポニカ) 「校正(計測)」の意味・わかりやすい解説
校正(計測)
こうせい
calibration
被校正対象である測定器が表示する値と、測定標準としている測定器が示す値のずれを確認する作業。
国際計量計測用語(VIM:International vocabulary of metrology, ISO/IEC Guide 99 : 2007)では、「指定の条件下において、第一段階で、測定標準により提供される測定不確かさを伴う量の値と、付随した測定不確かさを伴う当該の指示値との関係を確立し、第二段階で、この情報を用いて指示値から測定結果を得るための関係を確立する操作」と定義されている。
校正は、表明(statement)、校正関数(calibration function)、校正線図(calibration diagram)、校正曲線(calibration curve)または校正表(calibration table)で表してもよい。場合によっては、付随した測定不確かさを伴う表示値の加算、または倍数の補正で構成してもよい。
また校正は、「自己校正(self-calibration)」とよばれる測定システムの調整(verification)または、校正の検証と混同しないことが望ましい。一般には、上記の定義の第一段階だけを校正と認識していることが多い。第二段階の定義は、電気分野など現場で直接通用する実務的な状況を重視する分野での適用が主となる。
[今井秀孝]