桂 文治(10代目)(読み)カツラ ブンジ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「桂 文治(10代目)」の解説

桂 文治(10代目)
カツラ ブンジ


職業
落語家

肩書
桂派宗家(10代目),落語芸術協会会長,日本演芸家連合副会長

本名
関口 達雄(セキグチ タツオ)

別名
前名=桂 小よし(カツラ コヨシ),桂 伸治(カツラ シンジ),雅号=関口 籬風(セキグチ リフウ)

生年月日
大正13年 1月14日

出生地
東京・雑司ヶ谷

学歴
工専中退

経歴
初代柳家蝠丸の長男として生まれる。昭和21年桂小文治に入門、桂小よしを名乗る。23年二ツ目で桂伸治となり、33年真打ちに昇進。テレビ演芸の草分け的番組「お笑いタッグマッチ」に出演して人気を集めた。54年10代目文治を襲名、桂派10代目宗家となる。普段から和服で過ごし、江戸の言葉遣いにこだわった江戸落語の重鎮で、江戸っ子気質を押し出した軽妙洒脱芸風で知られ、高座では黒紋付きで通した。人情噺怪談噺には目をくれず落し噺一筋に活躍、とぼけた味の爆笑落語が持ち味で「源平盛衰記」「お血脈」「やかん」などの地噺は“文治流”とも呼ばれた。書道彫刻盆栽など落語界きっての多芸としても有名で、中でも南画は書壇院展で特選を繰り返し、東京都美術館の審査員も務めた。平成11年から落語芸術協会会長を務め、16年80歳を機に最高顧問に退くことが決まっていたが、会長の任期最後の日に急逝した。他の得意噺に「二十四考」「親子酒」「道具屋」など、著書に「噺家のかたち」がある。

所属団体
日本演芸家連合,落語芸術協会,書壇院

受賞
芸術選奨文部大臣賞(第46回 平7年度)〔平成8年〕 勲四等旭日小綬章〔平成14年〕 芸術祭賞(優秀賞)〔昭和56年〕

没年月日
平成16年 1月31日 (2004年)

家族
父=柳家 蝠丸(初代)

伝記
定本 寄席界隈艶噺落語大看板列伝―枝雀・文治・柳昇・馬生・小さん最後の噺家 こだわり文治の泣きどころ酒と博奕喝采日日 三遊亭 円右 著,林 秀年 編落語ファン倶楽部 編中島 英雄 著矢野 誠一 著(発行元 三樹書房白夜書房うなぎ書房文芸春秋 ’10’09’05’97発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「桂 文治(10代目)」の解説

桂 文治(10代目)
カツラ ブンジ

昭和・平成期の落語家 桂派宗家(10代目);落語芸術協会会長;日本演芸家連合副会長。



生年
大正13(1924)年1月14日

没年
平成16(2004)年1月31日

出生地
東京・雑司ケ谷

本名
関口 達雄(セキグチ タツオ)

別名
前名=桂 小よし(カツラ コヨシ),桂 伸治(カツラ シンジ),雅号=関口 籬風(セキグチ リフウ)

学歴〔年〕
工専中退

主な受賞名〔年〕
芸術祭賞(優秀賞)〔昭和56年〕,芸術選奨文部大臣賞(第46回 平7年度)〔平成8年〕,勲四等旭日小綬章〔平成14年〕

経歴
初代柳家蝠丸の長男として生まれる。昭和21年桂小文治に入門、桂小よしを名のる。23年二ツ目で桂伸治となり、33年真打ちに昇進。テレビ演芸の草分け的番組「お笑いタッグマッチ」に出演して人気を集めた。54年10代目文治を襲名、桂派10代目宗家となる。普段から和服で過ごし、江戸の言葉遣いにこだわった江戸落語の重鎮で、江戸っ子気質を押し出した軽妙洒脱の芸風で知られ、高座では黒紋付きで通した。人情噺や怪談噺には目をくれず落し噺一筋に活躍、とぼけた味の爆笑落語が持ち味で「源平盛衰記」「お血脈」「やかん」などの地噺は“文治流”とも呼ばれた。書道、彫刻、盆栽など落語界きっての多芸としても有名で、中でも南画は書壇院展で特選を繰り返し、東京都美術館の審査員も務めた。平成11年から落語芸術協会会長を務め、16年80歳を機に最高顧問に退くことが決まっていたが、会長の任期最後の日に急逝した。他の得意噺に「二十四考」「親子酒」「道具屋」など、著書に「噺家のかたち」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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