20世紀日本人名事典 「桂 春団治(1代目)」の解説
桂 春団治(1代目)
カツラ ハルダンジ
明治〜昭和期の落語家
- 生年
- 明治11(1878)年8月4日
- 没年
- 昭和9(1934)年10月6日
- 出生地
- 大阪府大阪市南区高津二ツ井戸
- 本名
- 岩井 藤吉
- 旧姓(旧名)
- 皮田
- 経歴
- 兄にならって明治28年大阪落語の桂文我に入門、桂我都と名乗り、寄席で徐々に人気を高めた。35年2代目桂文団治の門に入り、36年初代春団治(厳密には2代)。大正3年真打ちとなり、伝統の上方落語に奇想天外なナンセンスの笑いを持ち込んだ。女性遍歴や奇行でも知られ、5年には医療器具問屋の未亡人と同棲し、妻子と別れたが、スキャンダルを逆に利用して売り出した。10年吉本興業と専属契約し、吹き込んだレコードは全国的にヒット、寄席と比較にならぬ人気を得た。大正末年“食べられるレコード”を製造するが、大損をし、晩年は経済的に行き詰まった。没後も、小説、芝居、演歌のモデルなどとして、名声を得る。平成8年上方演芸に貢献した人を顕彰する“上方演芸の殿堂”に入る。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報